市を挙げて取り組んでいた、鎌倉の世界文化遺産登録。
今日、2013年5月1日未明、文化庁が「世界遺産への登録がふさわしくない」との勧告を受けたと発表しました。
世界文化遺産登録への「記載」勧告をされた富士山と、「不記載」勧告となった鎌倉(鶴岡八幡宮)
今回、ともに登録を目指し、6月に世界文化遺産登録される見通しとなった富士山。
富士山が「日本の国家的象徴」と高く評価され、自然物にも関わらず文化遺産登録が確実化されたのに対し、鎌倉は「日本で最初に武家文化が生み出された場所」として登録を目指してきたものの、「対象となる武家遺跡が少ない」と、厳しく評価されました。
イコモスとは、国際記念物遺跡会議(ICOMOS/ International Council on Monuments and Sites)の略で、ユネスコ内の世界遺産委員会を諮問する機関。各国政府から推薦された遺産に対して、専門家を中心に調査を行ない、評価を下して世界遺産委員会に報告しています。
このイコモスが出した鎌倉への評価は、4つある区分の中でいちばんランクの低い「不記載」。決議である6月の世界遺産委員会でも「不記載」となってしまうと、「再推薦は不可」となる厳しいものです。
文化庁の発表は下記。不記載の理由としては、現在の寺社等が当時のまま残されているものではないこと、歴史的重要性が都市全体として示されていないこと、などが挙げられています。
■詳細はコチラ↓
【文化庁発表 世界遺産諮問機関による評結果及び勧告について|鎌倉市】
今回については、なにより最悪の「不記載」となることを避け、別の角度から世界遺産登録を目指すなど、市だけではなく政府と一帯となり、新たな提案方法を考える必要がありそうです。
もちろん、世界遺産登録が、本当の意味での地域活性につながるのか、という点の議論を含めて。
【湘南・鎌倉|ニュース・なるほど情報の最新記事】